次世代
Wired Newsの電気バイクレースの優勝車『MotoCzysz E1PC』と云う記事を読んだ。マン島TTに電動バイククラスなんてあったんだ。
電動バイクはすでに実用化されているんだけど、乗る機会はまだない。ずいぶん昔、市販前の電動スクーターのインプレッションがライダースクラブに掲載されたのは読んだことがあって、その記事は「充分ライディングの楽しさはある」って論調だった。
12.5キロワット時のリチウム・ポリマー・バッテリーは、このバイク専用に開発されたもので、数秒で載せ替えることができる。油冷式モーターも特注で、(連続出力)100馬力とトルク約340Nmを発生させる。
レギュレーションがわからないのだけど、ポイントは結局ハイパワーとバッテリーの持ち、あと重量なんだろうな。予備のバッテリーをたくさん充電しておいて何度載せ替えてもおっけー、ってルールだったら、ピット作業が短くできればがんがん電気喰わせてパワーを出させた方が有利、って話になる(それがレースのテーマにかなっているのかどうか、と云うあたりはちょっと問題かも知れないけど)。
これらが搭載されるフレームもこれまたカスタム製だ。もちろん、通常のパーツもスウェーデンのOhlins社や伊Bergamo社などの一流品が使われている。
このぶっといスイングアームを見ると、やっぱりそれなりに重量はありそう。って云うか車体構成がよくわからんな。バッテリーの後ろにあるのがモーターなんだろうけど、どうやって支持してるんだろう。サスペンションといっしょにフレームから吊り下げてるのかな。そうなるとバッテリーだけじゃなくて、そもそもフレームが重くなりそう。
黄色いモノサスはたしかにオーリンズだろうな(あれこれ見てたら、開発途中の写真ではショーワを入れてるっぽいのもあったけど)。キャリパーも刻印が赤いのでブレンボみたい。まぁでも普通じゃね?
『TTXGP』シリーズを戦う多くのバイクは、コーナリングの際のグラウンド・クリアランスの問題に苦しんでいるが、E1PCはこの問題を抱えていない。
この不思議な形状のバッテリーには、ほんとうはこの点での意義があるんだと思う。バンクしたときのクリアランスを確保しなきゃいけないし、でもそれは単に上に持っていけばいい、って話じゃないし(重心は単に高くても、低くても問題を生じうるものなので)。ましてやマン島だし。
[本戦でも優勝した(PDF)。平均時速は156キロメートル]
あら残念。オーバー・ザ・トンは達成できませんでしたか。