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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

大人の都合

現役の小学校の先生でいらっしゃるらしいfilinionさんの疑似科学と教育について。と云うエントリを読んだ。

実は少し前に、「明日の授業で『水からの伝言』を使おうかなぁ」と悩んでいる先生のブログも読んでいて、取り上げようかどうしようか悩んだあげくやめにしたりしたんだけど(コメント欄で、田崎教授や菊池教授の文書に触れながら実に適切なアドバイスをされていた方が登場されていた、と云うのもあって)。

教育にニセ科学を持ち込むのは、大人の都合だ。このことは菊池教授も云っているし、ぼくも以前鹿野司さんのところに言及したエントリで少し書いた。

もちろん、科学的事実はわかりやすくもないし道徳的とも限らないですけど、それをなんとかするのが教師の仕事です。

事実を正しく・わかりやすく教える努力を放棄して、事実の方を改変したのでは、視聴率優先で捏造番組を作る人と変わらないでしょう。
しかし、「水からの伝言」にしても「ゲーム脳の恐怖」にしても、教える側が信じ切っているように見えるのが恐ろしいところです。
疑似科学の害を子どもに広げないために、科学と疑似科学を見分ける能力を教師自身が身に付けることが大切なのはもちろんです。

とはいえ、それも一朝一夕には困難でしょう。


であれば、志ある教員が声を挙げ、疑似科学教育を許さず、これを排撃する風潮を教育界に作り上げることが先決だと思えてなりません。

これを職業倫理と呼ぶんだ、とも思う。

ともすれば「教える」と云う行為が必要以上に軽視されがちな風潮はあるけれど。そうして、その中でこう云う意思を保ち続けるのはけして簡単ではないのだろうなぁ、とも思うけれど。でも、それでもこう云う先生がいてくれないとなぁ、とか思った。