実質的な敗訴
ホメオパス助産師のK2シロップ不投与による乳児死亡事件に関する民事訴訟が和解に至った、と云う報道があった。
たいていこう云うコミットしてきた議論について触れるときには、自分が過去にどんなことを云ってきたかを示すために関連する自分のエントリへのリンクを置くのだけれど、この訴訟そのものに触れたエントリはどうやら書いてないみたいだ(多くのひとがお書きになっていたので、ぼくはいいかな、とか思ったんだろうな。事件そのものについては琴子の母さんのエントリに言及してこちらで触れたりしてるけれども)。
生後2カ月の長女が死亡したのは、ホメオパシーという民間療法をする助産師が適切な助産業務を怠ったためだとして、山口市の女性(33)が助産師を相手取り、約5600万円の損害賠償を求めた訴訟で、助産師側が女性に和解金を支払うことで合意したことが21日、分かった。和解金は数千万円とみられる。
訴訟に及んでの、原告の女性の(精神面も含めた)負担は想像に難くない。この部分については黒猫亭さんが和解成ると云うエントリでお書きになっている、ワケのわからない「迷信」で理不尽に愛児を奪われた親御さんに、長期に亘る泥沼の法廷闘争をこれ以上戦えと強いる権利は誰にもない。
と云う一節に完全に同意する。
そう云うわけで、このエントリを書いたのは、次のたったひとフレーズを書きたいがため、だけ。
それはつまり、この訴訟は実質的に、ホメオパス助産師の敗訴だ、と云うこと。和解金を払って、ひとまえでホメオパシーの代替医療としての正当性を主張することを回避して、裁判を終わらせることを選んだわけだからね。