「わかる」ことと「わからない」こと(4)
kaoluneさんの良くも悪くも知名度アップ☆と云うエントリを読んだ。どうやら産院とかで配布されているフリーマガジンに、日本学術会議によるホメオパシー否定についての記事が記載されたらしい。
この記事を書いた方や この学術会議の方たち
科学で証明されたものしか
この世に存在しない と
思っておられるのでしょうか。。。
そんなことは思っていないと思うけど。科学による判断の俎上に載せうるもので、かつ科学的に否定されたものは、その実在の認識を共有するのは難しい、くらいには思っているだろうけど。で、このへんの認識はたいていの場合対話の大前提になるので、このことを共有できないひととの対話は多くの場合(存在するかどうか分からない「共感」みたいなものがベースにあることになっている)対話に似ているけどどこか違うもの、にしかならなかったり。
まだ未知の世界の方が
証明されている世界よりも広大
今の人間の科学なんて
宇宙のなかのごくごく一部しか 分からない程度のものなのに
全てを分かった気になるのは 傲慢だと思うのです
いやだからまだ未知
なんでしょ? 既知のことをまだ未知
ってことにしたがってるくせに、それを分かった気にな
ってその効用を主張しているのは、ホメオパシー業者や利用者のほうなんだけどね(ぼくなんかにはそっちのほうがよっぽど傲慢
に見えるんだけどね)。
今までだって科学が覆されたこと
数えきれないほどありました
寡聞にして科学そのものが覆されたこと
がある、なんて話は知らないけど。通説や特定の仮説が科学的に否定されて覆される、と云うことが起きるのはむしろ科学というものに対する信頼性を示すできごとで、科学的に否定されている200年前の仮説を覆す方法ひとつ持たないホメオパシーとは違う、と云うことなんだけど。
わからないものを証明するために科学は発展して来たのに
科学的ではない から 間違っている なんて
超ナンセンス
それこそ科学者らしからぬ発言じゃないの?
残念ながらホメオパシーは科学的ではない から 間違っている
わけではなくて、「科学的には効果がないことがわかっている」んだよね。べつに科学は、だれかが信じているものに効果があることを示すために進歩してきたわけではないんだから。
報道というのは
いろんな視点からの情報を
中立の立場で世に出すものであって欲しいけど
今やマスコミの情報操作は 当たり前
都合の良い情報のみを
うまく操作して切り貼りして。。。
この情報は誰の利益につながるの?
誰の不利益になる情報を隠しているの?
自分の信念に反しているものはつねに情報操作で陰謀、って考えられるのは、よくわからないけどそれなりに幸せなことなのかなぁ。けっこう不幸なこと、のようにも思えるけど、よくわからない。
Vanillaさんのオススメは
アエラやNews weekだそうです
ここで出てくるVanillaさん
と云うのは代替医療師Vanillaことシンガポール在住のアレクサンダー陽子氏のこと。日本ホメオパシー医学協会の由井寅子氏ともなかよしのホメオパスで、ちょこまかと日本に来てはセミナーとかやってる(じつはVanilla氏に関する情報はこちらのエントリのコメント欄で織田さんが寄せてくれてたんだけど、けっこうきつい書き方だったこともあってか、あとでご本人から削除依頼が来て、いまは残ってない)。
まぁ物知りのGoogleさんに訊いてみるとこのひとが絵に書いたような、なんと云うか日本のセレブリティ・ワナビー的要素を持つ女性方のロールモデル的なプロフィールを持っているのが分かる(彼女に心酔しているひとたちのネット言説も、そのへんのワナビーさんたちによってやまほど放流されている)。でまぁ、例によってこのかたも予防接種否定みたいなことをやっているわけで(由井氏の友人だから当然か)、「どうしてホメオパシーは女性のほうが親和性が高いように見えるんだろう」と云う疑問の回答のごく一端ぐらいはこのへんに見られるんじゃないか、とか思ってしまうわけだったりするのだった。