Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

Agua De Beber

某氏のブクマより、神戸市保健福祉局環境保健研究所の『おみず』のはなしと云う記事を読んだ。

水についての豆知識なんだそうだけど、5.水の不思議と云う項目があって、そこでいきなり「水からの伝言」の紹介が登場する。

最近、この私達にとって非常に大切な水に、情報を記憶したり伝えたりしている可能性があるということが明らかになってきました。水を汲んだボトルに『ありがとう』や『愛』、『感謝』といった文字を書いた紙を貼り、凍らせた水の結晶は、とても美しく神秘的な形をしているのに、逆に、ネガティブな言葉『ばかやろう』や『殺す』などの文字を貼ったボトルの水の結晶は、とてもいびつな形をしていたそうです。水に音楽を聞かせても同じような結果が得られるそうです。興味のある方は、江本勝氏の著した『水からの伝言』を読んでください。

あちゃ。
神戸の水は高品質だ、と云う話は、たぶん小学生の時分に父親から聞いた話だったのだと思う(社会科の授業でもでてきたかも)。貿易船が積み込んで出航するので、航海中にも悪くならない水が求められた、と云う話だった記憶がある。とは云え水量(でいいのか?)は限られていて、ぼくみたいに西部の住宅地に住んでいた人間は琵琶湖・淀川水系の、当時はまずいので有名だった水しか飲めなかったような。水の味を云々するような不気味な小学生ではなかったのでとくに気にしたことはなかったけど。

日本の浄水技術の優秀さは、それこそ2年以上前にkikulogの某所に書こうと思って、やめたことと云うエントリでも話題になっていて。

上水道の恩恵を理解できない人が、水にどう感謝するというのか、僕にはまったくわかりません。
もし、世界中の国が日本並みの上水道システムを持てたら、世界は大きく変わるはずです。世界が必要としているのは、波動水でもなく「ありがとう」という文字を見せた水でもない。僕たちから見ればごくごくあたりまえの単なる水道水です。

そのあとの部分でもあるけれど、身近な幸せは身近すぎて実感できないということなのでしょうかと云うことなんだろうか。

以前下水処理にかこつけて書いたうちのエントリでも、下水道処理に携わっていらっしゃるかたがコメント欄にお越しになって、「こちらの努力が無駄になるのでイヤすぎです」とおっしゃっていた。神戸市保健福祉局はお水さまよりも先に自分のところの水道局の局員をリスペクトすべきだと思う。
それともなにかい。あんたとこの職員は、毎日布引の滝に向かって「ありがとう」とか云ってんのかい?

ところで上でまるでまずい水の代名詞みたいに挙げた琵琶湖・淀川水系の水だけど、そこから採った水道水を大阪市がペットボトル飲料として販売している、と云うニュースを以前見た。探して見るとエキサイトニュースの「まずい」噂の大阪の水が、ボトル飲料にと云う記事がいまでも読める。

ただ、原材料はあくまでも「水道水」と同じ浄水処理を行った「高度浄水処理水」。水道を捻れば出てくる水道水、それも大阪市の水が入っている、というのが新鮮だ。

しかしこの水なかなかの実力もので、水道局のイベントで「ぴゅあウォーター」と「ミネラルウォーター」の飲み比べアンケートをしたところ、「ぴゅあウォーター」を美味しいと答えた人が46パーセントにも達したという。

きれいな水の結晶、とやらは入っていないだろうけど、科学技術だって万能ではないにせよなかなかやるではないの(ちなみにおそらくは災害時の非常用として、けっこう各地でボトル詰め水道水はつくられているようで、宇部市ガス水道局のサイトでリストを発見。神戸市水道局もつくってんじゃん。やれやれ)。