Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

負け戦

HILOKIさんのエセ科学、英単語帳にも進出と云うエントリを読んだ。

英単語帳を探していたら、そのなかのひとつに「水からの伝言」に触れたものがあった、と云う内容。

この記事では、前提として「これは科学か、そうでないかの問題である」という立場にあります。

その上で、二重盲検などという立派な「科学的」手法を持ち出しています。

もうこの時点で、「水」派の勝ちです。

少なくとも読者を、「科学かそうでないか」のフィールドに持ってきたので。

まぁ、まさにそのとおりで。で、これは「気付いたときにはすでにそちらのフィールドに持ち込まれていた」のが実体なので、ニセ科学に対する批判と云うのは最初からビハインドを抱えた状態から始まっている。時間軸でも、環境面でも。

菊池誠あたりが問題意識を持って行動を始めた時点ですでにそう云う状況で、ぼくみたいな(ごく最近までkikulogにトラックバックひとつとばしたこともなかったのに、「取り巻き」と呼ばれることも多い)泡沫野豚ブロガーが話題として扱いはじめたときには、実際には相当負けが込んでいた、と云ってもいいと思う。
そのうえで、「どんな手段を使おうが駆逐できればいい」みたいなやり方に向かうケースがあまりなかったのは、多分それぞれの方がそれぞれの動機あってのこと、としか云いようがないけれど(実効性の議論も当然あるにせよ)。

そもそも科学以前の問題であるものを、科学のフィールドで議論させる人を増やしたのなら、それは氏の勝ち、なんでしょう。きっと。

でもまぁ、そこがはじまりの地点だったりするのでしかたがない。

結局できることしかできなくて。ぼくなんぞは残念ながら血の巡りの悪い頭をひとつ持ち合わせているだけなので、できることと云えばいくらかでも状況を解析したり、議論の場を提供したりして、わずかなりとも議論の裾野に使えそうな要素を追加する、くらいがせいぜいのもの。で、そこに意義を見出すかどうか、と云う点については、自分で評価するしかないわけだ。当事者、として。

# 以上はぼく個人、あるいはこの場所に集約される内容です。
# ニセ科学を批判している方、批判している場一般に敷衍されるべき内容ではありません。