フィギュアスケート2011年ロシア杯
信夫先生と有香さんが並んで立っているのを見て、有香さんって父親似なんだなぁ、みたいに思った。どうでもいいけどね。
今回の男子シングルでいちばん「男の滑り」と云うのを見せてくれたのは、ハビエルくんなんじゃないかなぁ、と思う。
アメリカの暫定惣領とチェコの裏番を相手に回しての羽生結弦の優勝、と云うのはもちろん快挙で。それは間違いないのだけれど、こう云うサヴァイヴァルレースでの結果的な勝利、と云うのはどうにも複雑な印象を残す。いや、まぁこれはスタミナと云う最大の課題を大幅に克服した、と云うことも意味するので、まるで悪い話じゃないんだけどね。ただ本人も出し切れた、闘い切った、とは思ってないだろう。そう云う意味ではむしろ、GPファイナルよりも全日本を早く見たい気になる。
それはそれとして、フィギュアスケートと云う競技の性格を考えると、先々に渡る意義としては結弦が「240点を与えてもいい選手」と云う認知をジャッジに与えたことのほうが大きいのではないだろうか。ついでにやっぱりどうでもいいことだけど、結弦と奈々美先生ってのもよく似た師弟だよなぁ。仕草とか、リアクションだとか。
今季結局、アデリナ・ソトニコワの凄さ、と云うのはぼくには見えなかった。残念。
しかしこうやってロシアの若い選手があがってくると、レオノワの立ち位置が逆に「トップ」的なものに見えてくる。まぁいい意味でも悪い意味でもまだ伸びしろのある選手、ではあるんだけど、どうなんだろうか。
遙姫は悪くなかったし、善戦だったと思う(ここの「姫」は、「あんみつ姫」的なニュアンス)。どうも日本人の女子シングル選手は伊藤みどりを元祖に荒川静香・安藤美姫・浅田真央、となんともエッジィな天才肌の系譜が続いてきたわけだけど、こう云う「雰囲気美人」なスケーターは、けして嫌いではないです。
今季はヨナ・キムも安藤美姫もいない。だったらトリプル・アクセルは浅田真央にとって必須の兵器とはならない。じつに自然な戦略上の結論なのだけれど、こう云うのって「真央ちゃん」ファンの方々には(とりわけそのチャレンジャブルな側面に惹かれていた向きには)どう受け止められるのかなぁ。
いずれにせよ今季の真央はチャレンジャーではない。カロリーナもアリッサも鈴木さんもいない大会で優勝できないとすれば、むしろそれ自体が問題だ、と云う気もする(昨シーズンから続くストーリィ、なんて云うのは、それこそどうでもいい)。でもってそもそもスロースターター的傾向のある彼女としては、このまま尻上がりに調子を上げてくるのではないかな。こっちも、やっぱり全日本が楽しみだなぁ。