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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

置かれる場所 (「おかしな科学」菊池 誠、渋谷研究所X)

購入後もう1週間が経過してるのだけど。

おかしな科学―みんながはまる、いい話コワい話

おかしな科学―みんながはまる、いい話コワい話

  • 作者: 菊池 誠
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 単行本

2度読み返したらちょっとレビューが遅くなってしまった。

この種の本がどの本屋に置かれるのか、どのコーナーに置かれるのか、と云うのはそれなりに難しい問題で、以前そのへんはわれらが聖典本屋で探しまわると云うエントリでネタにしたことがあったんだけど、この本については友人との待ち合わせに利用した最寄りの本屋のひとつであっさりと発見。ここは壁一面に一般向け学術解説書みたいな種類の本をまとめて置いてあって、そこには科学書から思想書までが並んでいるんだけれど、そこに平置きにしてありました。置いてある場所は以前謎解き 超常現象を見つけた場所と同じあたり。直線距離で1メートルすこしのあたりに江本勝氏の著作ニューエイジ系の書物が並んでるのはなんだかなぁ、とか思ったけれど、考えようによっては悪くない。ともあれ、みつどんさんのように購入に苦労すると云うようなことはなかったんだけれど、昨日ちょっと気になって市内でも最大級の本屋で確認してみたら、フロアのいちばん奥の「科学書エリア」に置かれてました。これはこれで正しいんだろうけど、うむむ、どちらがいいんだろうなぁ。

この本の成り立ちは著者の片方である渋谷研究所Xさんのエントリに説明があるけど、過去「ポピュラーサイエンス」誌に連載されたコラムをまとめたもの(楽工社サイトの告知ページで目次が読める)。対話形式で、さまざまな「おかしな科学」についての話題を個別にそれぞれ、脱力系トークバトルとしてわりあい軽く読めるように構成されている。ここで云われる「おかしな科学」を「はじめに」から引用すると、

世の中には、「科学っぽいお話」がいろいろあります。科学用語が使われていたり、実験や統計で確かめられた事実だなんて主張されるお話です。ところが、なかには怪しいお話も混じっています。本書では、そうした科学っぽいけど怪しいお話を「おかしな科学」と名付けました。

と云うわけで、ニセ科学疑似科学と類似の概念なのだけど、まぁもっとぼくらの日常に近接したもの、と考えてよさそう。
書物の性格上筆致は軽いけれど、内容は個別の題材にもとづいて実地に、豊富な実例とともに検討していく、と云うものなので、ぼくらが日常において「おかしな科学」に出会ったときにどんなふうに考えていけばいいのか、と云う部分について実用的な示唆をたっぷり含んだものになっている。それぞれ題材ごとに亀さんと六さんの会話があって、そのあとで菊池誠教授が登場してそれぞれの問題についての背景となる情報の補遺と情報のアップデートがおこなわれる、と云う構成。実際にある「おかしな科学」にもとづいて展開するので、じつは書物としてのスコープはけっこう広かったり。

で、思ったのだけれど。この本、とても「待合室」向きなのだ。
4章16項目で構成される内容は、どこから読みはじめてもいい。ひとつの項目は(編者の意図どおり、なのだと思うけれど)数分で読み終えることができる。そうすると、この本は「そこに居合わせる人間が数分間の時間の合間を持っている」場所におかれることで、目に触れる機会を増やすことができるように思う。
病院とか、銀行とか、役所とか。そのあたりのロビーに、配布する方法があればいいのになぁ。

ちなみにどこかでだれかが云っていた「六さん萌え」、読んでみて非常によくわかりました。六さんかわいいよ六さん。いやきっとおっちゃんなんだろうけど。

追記(Jul. 22, '09,): こちらからお買い上げいただいたかたがいらっしゃるようなので(ありがとうございます)、kikulogにある正誤表へのリンクを追加しておきます。 「おかしな科学」正誤表ver.1

追記(Aug. 7, '09,): 正誤表に追加がありました。 「おかしな科学」の正誤表 ver.2