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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

周回の意義

NOVTANさんの何周遅れだろうともと云うエントリを読んだ。
周回遅れ、と云う比喩はニセ科学に関する議論でもときおり出てくる。まぁ、ニセ科学に関係する議論は先頭を走っていれば偉い、とか云う性格のものではまったくないので、NOVTANさんがお書きの主旨には直接あてはまらない部分も多かったりはするけれど。

少なくとも、ちょっとでも先にスタートできた自分の有利さを自覚して、あとに入ってきた人を暖かく迎えてあげるのが良いんじゃないかと思うことしきり。

でもまぁこれをやっていると「またいつまでもおんなじ話をしてやがる」とか「安全な場所からばかりものを云っている」とか云う反応が返ってくる、ってのもあったりして。でもやるんだけど。やってるうちに見えてくるものもあったりとか、ケース・スタディにしかならなくてもなんらかの小さな貢献につながったりとか、そう云う部分を期待しながら。

ついでに云うと「安全な場所」に見えるのはそれだけ議論が積み重ねられてきた、と云うことで、そう云う言説そのものが、重ねられた周回が顧慮してもらえない、と云うことでもあったり。

もっとも、ハナから否定するために入ってきた人を説得するのはまっさらな人より面倒かも知れんけど。

こう云うひとが極端に多いのも、ちょっと特殊な部分だったり。そう云う意味では、議論、と云う云い方に馴染まない部分もけっこうあるのかな。

実際のところ、ニセ科学についての議論で周回遅れと形容されるのは、そのひとが議論に対峙するにあたっての立ち位置が周回遅れになっていてはいけないような場合か、周回遅れの状況ではなしえないような主張をしている場合か、おおむねどちらかだと思う(で、多分この話は、lets_skepticさんが求められているのは当たり前の誠実さではないだろうかと云うエントリでお書きの内容ともつながってくる。いや、lets_skepticさんがお書きのことは、そのままぼくなんかの喉元にも刃先が向けられているのだけれど)。

今北産業でもいいからきちんとダイジェストを用意してあげるのも、何周も先にいっている人の役目なのかもね。

このへん、ニセ科学批判まとめとか、ここのサイドバーからもリンクされているいくつかの成果がいろんなひとの尽力ですでに存在しているんだけど、教えてあげても読まないまま主張を続けるひととかけっこうたくさんいるからなぁ。まぁぼくあたりにできるのは、めげずに何度も云う、と云うことぐらいしかないのだけれどね。