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「科学の理解度判定問題」の答案

ASIOS公式ブログの科学の理解度判定問題の答案を作成してみる。 で、「続きを読む」まえにエクスキューズ。これは○とか×とかで明解に点数がでるものではないかも(と云うか大事なのは「理由」の部分で、これはひとによって違うでしょう)。で、ぼくはつねづね標榜しているように「もっとも出来の悪い学生」であること(あらためて強調の必要もないかも)。

【問1】新しい理論は科学を発展させるから、新たな主張にはあまり厳しい批判をせず、大事に扱うべきである。
a. その通り
b. そうではない

答え:b 理由:大事に扱うの意味にもよるが、検証に費やすリソースが有限であることを考慮するとすべての新たな主張をひとしなみに大事に扱うのは不経済。

【問2】これからも絶対に間違いが見つからないように注意して作られた理論は、当然正しい理論である。
a. その通り
b. そうではない

答え:b 理由:「理論の正しさ」は、積み重ねられたデバッグに支えられた、その時点での「妥当さ」。

【問3】新しく立てた理論について、その理論で説明できるという例を沢山見つければ、その理論の正しさはどんどん確実になっていく。
a. その通り
b. そうではない

答え:b 理由:科学の理論は独立した体系として成立するものではないので、先行する理論と整合することが必要。

【問4】"「白いカラスが存在する」という主張と「白いカラスは存在しない」という主張は対等なのだから、双方が証拠を持ち寄って議論すべきだ。"という考えは科学的である。
a. その通り
b. そうではない

答え:b 理由:「白いカラスは存在しない」決定的な証拠は提示できない。このことがあるので、この場合は「白いカラスが存在する」と主張する側が証拠を提示し、検討を行う、と云うのが意義のある議論のためのルール。

【問5】科学の歴史において現代では間違いとされる理論が主流になっていた事が多々ある。これは科学が失敗した例である。
a. その通り
b. そうではない

答え:b 理由:自律的にデバッグを積み重ねていくシステムがビルトインされていることが、科学に対する信頼の源泉である以上、古い理論が新しい理論によって覆されるのは必須のメカニズム。ただ、この場合の「正しい」「間違い」の捉え方は【問2】の回答に関わる。また、すべての理論はデバッグされる可能性を持つが、それが単純に「新奇な理論の重要性」を意味するものではないのは、【問1】の回答にあるとおり。

どうも雑な気がするけど、こんなもんかなぁ(みたいな感じで、ケアレスミスを大量生産する人生を送ってきたぼくではあるのだけれど)。