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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

入り口として

バリ音楽のコンピレーションは各レーベルからいくつか出ているけれど。

バリ島の音楽

バリ島の音楽

  • アーティスト: ヤマサリ,グヌン・ジャティ,ティルタ・サリ,スカル・サンダット,スアル・アグン
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2005/03/09
  • メディア: CD

これはビクターのコンピレーション。

ぼくが把握している限り、バリ音楽のコンピレーションで手に入るのはノンサッチ・エクスプローラーでデイヴィッド・ルイストンの録音になるものが2枚、キングで1枚、それとビクターのこのアルバムになる。でも、このアルバムは残り3つに比べてセレクションがコンテンポラリー寄りだ、と思う(残りの3枚は、やや資料的録音としての意味合いが強い感じ)。

収録全7曲のとっぱなからヤマ・サリ。これはたぶんここからのセレクション。続いてグヌン・ジャティはこれから選ばれている(と云うかビクターのグヌン・ジャティはこのアルバムしか音源がないのだけれど)。続いてティルタ・サリのタルナ・ジャヤが収録されているのだけれど、ぼくの持っているこちらのものとは録音が違う。と云うか「ティルタ・サリのゴン・クビャール」となっているので、ぼくの持っていない方の音源がベースのようだ(と云うか、ティルタ・サリはスマル・プグリンガンの楽団ではなかったのか。この辺りの謎は、持ってないアルバムをなんとか入手すれば解けるのだろうか)。なんと云うか、プリアタンのグンカ絡み楽団3連発で幕開けとなるわけで、まぁ圧巻と云えるかも。
他に収録されているのはゴン・グデ、ジェゴグ(本家スアール・アグンによるもの)、ケチャ(プリアタンのもの)、グンデル・ワヤン(故イ・ワヤン・ロチェン氏がリーダーのスカワティ村メンバーによる、これは多分日本公演時の録音だと思う)。基本山城祥二氏関連の録音からのセレクションだけど、珍しいもの、と云うよりは、音楽としていま聴いて楽しいものが集められている、と思う。

でも、最初の第一歩として、入り口としてお薦めするかと云うと、うーむ。なんか、「いろんなタイプの音楽が鳴っている」ってなってしまいそうな気もするので、微妙だなぁ。良質のコンピレーションであることを認めたうえで、ぼくとしてはやっぱり入門編としては多少取っつきづらくてもこちらをお薦めしたいような気がする(これはコンピレーションじゃないけどね)。