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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

嗜好別おすすめ(中間的まとめ)

なんとなくCD評みたいな感じで、それでも素人なりにあれこれと調べたり考えたりしながらバリガムラン評論を続けてきた。国内で手に入るCDを網羅した訳ではないし、今後も同じ感じで続けて行ければとは思っているけれど、ここらで中締めみたいな感じで、「こんなガムランを聴いてみたい」的な気分のときにおすすめするアルバムを挙げて行ってみようと思った。

【まず、聴いてみたいと云うひとに】

《バリ》バリのガムラン2

《バリ》バリのガムラン2

詳細はこちらのエントリ参照。
まず、価格的に手に入れやすい。音質は最近のデジタル録音とはやっぱり違ってて、「場が楽器として鳴ってる」感には乏しいけれど、それでもグヌン・ジャティの伝説の銘器の素晴らしさは充分伝わってきます。バロンなんかも入っていて、結構曲目も網羅的かも。ただ、スマル・プグリンガンなのでそんなに「持ってかれる」系の力強さはない。

【持ってかれたいひとに】

轟鳴と炸裂のガムラン

轟鳴と炸裂のガムラン

もうなんと云うかガムラン暴風雨。詳細はこちらで触れてます。元祖ゴン・クビャールの力強さ。洗練とかなんとかじゃなくて、村中に響き渡る「炸裂するゴング」が味わえます。実はちょっとゴン・グデに繋がるクラシックな感じもほの見えたりする。

ガムランってどんな音楽なの? と知りたいひとに】

ガムラン変幻

ガムラン変幻

詳しく触れたエントリはこちらです。どんな音がどんなふうに重なってガムランが出来ているのか、はっきり構造が透けて見える録音。国立芸大出身者中心の演奏はよくも悪くも技巧が前に出る感じはあるけれど、でも伝統と革新両方に目配りをしたアレンジやゴン・スマラ・ダナと云う比較的新しい楽器セットを生かした曲(なんと曲中に転調したりする。ゴン・クビャールでは多分ありえない)、一種ロックンロールっぽい縦ノリグルーヴは結構好き。

【現役音楽としてのガムランを感じたいひとに】

衝撃と絢爛のスーパーガムラン

衝撃と絢爛のスーパーガムラン

こちらで前後編レビューなんてことをしてしまいました。先に云っておくとけして分かりやすかったり聴きやすかったりしないし(同じヤマ・サリだとこちらの方が取っ付きやすい)、なんと云うかクラシックの交響曲を聴くときみたいに、一回かけたらCD一枚が鳴り終わるまでオーディオ・セットの前を離れないくらいの覚悟と緊張感が必要。でも、とりあえず日本で手に入る録音の中ではこれが一番進化した、最新型コンテンポラリー・ガムランなのは間違いないと思う。

【もう、ひたすらもの狂おしく浸りたいひとに】

耽美と陶酔のガムラン

耽美と陶酔のガムラン

やっぱりこれでしょうね。こちらで触れました。もう楽器の音の甘さといい、織り上げられる音の艶っぽさ・豪奢さといい、なんと云うか悦楽。ちなみにこの独特の音の響きには、数百年を経た銘器である、と云うことの他にも、カナダ人コリン・マクフィーのアイディアがチューニングに生かされている、と云うこともあるみたいです。

と云う訳で、興味があればぜひ。
(いや最近このブログ、文字ばっかりで色気がなくって)