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Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

速度感

ガムラン

スマララティ ゴン・スマラ・ダナ
"Semara Ratih" Gamelan Semara Dana
珍しく日本盤じゃないCD。
アマゾンにもないので、売ってるネットショップをリンクしてみました。

これは一昨年にバリに行った帰りに、ングラ・ライ空港で買ったもの。
と云うか、空港ビルのお兄さんに猛烈に奨められたのだけど。ほんとは別のグループのCDを探してたら、「これにしろ。ゴン・スマラ・ダナだ」とか云われた。もちろん当時のおいらのガムランについての知識は今と較べても実に貧弱なもので、何のことを言われてるのか分からなかった。

ところでこのグループには公式サイトがある。
http://www.semararatih.com/
こちらに楽器についての情報があるかと思ったけど、ちょっと見つけられなかった。

ゴン・スマラ・ダナってなんだ? と思った。どうやら楽器(と云うか楽器セット)の名称らしい、ということが分かった。古典の7音ガムランと近代の5音ガムランの両方に対応できるように造ったものらしい(Gusti Motoさんのサイトに簡単な解説がある)。
ゴン、ってのは要するにゴングで、ガムランセットの中で最低音を受け持つ(一番長い周期で鳴らされる)銅鑼のことなんだけど、どうやら転じてガムラン楽器のセットをゴンと呼ぶらしい。例えばこのエントリで取り上げたグループはCDジャケットではグループ名がゴング・グラダグになっているけれど、これは「グラダグ村のゴン」という意味で(実際にはグラダグ、って云うのはパンジャールって云う、村よりももう少し小さい共同体の名前みたいだけど)、本当のグループ名はジャヤ・クスマって云うようだ。
まぁ、ゴン・クビャールの変形楽器、というところらしい。

ガムランの楽団は、そもそもは地域共同体単位で成立している(隣近所の住人で構成されていて、公民館で練習するような)もののようだ。これまで取り上げた中ではゴング・グラダグやエカ・チタ、グヌン・ジャティなんかはこのパターン。これに対してティルタ・サリとグヌン・サリは、もともとが海外公演を見越して(と云うと少し違うようだけど)結成されたもの。これに対してこのスマララティや、まだ取り上げてないけどヤマサリなんかは、近年になってから腕っこきのメンバーを集めて結成されたもののようだ。
このスマララティは、芸大出身の演奏家の集団らしい。

日本でビクターの録音で出ているようなライブ録りではなく、どうもスタジオ録音のようだ。だから環境音楽としてはとても向いていない。その代わり音はとてもクリアで、楽器ひとつひとつの粒立ちがとてもいい(と云うのが、ガムランの録音に対して褒め言葉になるのかどうかは微妙だけど)。
でもなによりも、そのリズム感。なんと云うか、おいらみたいなろけんろーる出身の人間からすると、とても分かりやすいのだ。鋭く切り込むクンダンが、とても気持ちいい。悪く云えば少し技巧的で一本調子なんだけれど、生み出すグルーブのエッジがくっきり立っていて、なんと云うか、持っていかれる感がある。

このCD、続編も出ていて、けっこうそこいらのバリ雑貨屋で買えたりする。でも、ングラ・ライでいくらで買ったかを考えると・・・なんか、手が出ないんだよなぁ。

(ちなみに盤質はあまり良くない。先日10年少し使ったCDプレイヤーが成仏されたのだが、そのときに最初に読まなくなったのがこのCDだった)