仙台の本屋(0)前説
昔の仙台にはたくさんの本屋があった。
一番町にはひとブロックに2つか、またはそれ以上の数の本屋が開店していた。
いま、そんな本屋はだいたいブランドショップかパチンコ屋に姿を変えている。
子供の頃から今に至るまで、本屋が好きでしょうがない。
本屋は、いろんな意味といろんな美しさを売っている。そこから(小遣いの範囲で)最低限のものを買って来て、持ち帰る。その最低限のものを選ぶのに、いまでも2時間や3時間を費やすことがある。
だから、地元資本の書店が少なくなっている状況は、なんとなく寂しい。
いまのさくら野百貨店の裏手辺りに、その昔、八重洲書房と云う本屋があった。
この本屋で、ぼくやぼくの友人たちはだいぶ長い時間を過ごした。
白水社、国書刊行会、ペヨトル工房。この辺りの本は、みんなここで見つけた。
多分、サブカルチャー、なんて括りをされてしまうんだろうけど、ぼくらにとってはサブなんてつかない、メインストリームのカルチャーだった。
本屋と云うのは、そういう場所だった。
とまぁ、前説だけ大仰に。
ここからはなんとなく漠然とした本屋の話。