Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

視野狭窄

moon-3さんの幼稚園でH・S・M騒動勃発。およびそれに続くもう腹がいっぱいだから、マクロビオティックなんでしょ?と云うエントリを読んだ。エントリの主題とはちょっと違う話になるので、トラックバックなしで言及する。

例えば、ホメオパシー

ぼくは基本的に、その問題点についての認識が一定範囲で(薄くでも)広く伝わって、大規模に蔓延することがなくなるようなら、それでいいや、とか考えていた。そもそもこの種の事物を「信じる」心性は完全に放逐できるものではないし、なら限定された範囲で継続的に用いられるのはどっちにせよしかたがないよなぁ、みたいに。

で、こちらのエントリのコメント欄で黒猫亭さんに叱られた。

こう謂うカルト的組織が地下に潜伏して何をするかと謂えば、まあオウムのように組織テロに趨ると謂うことは考えにくいですが、集団内部での同調圧が男性に比べて高い女性の集団に深く静かに浸透していくと謂う選択肢がまず考えられますね。

中でもやはり「ママ友」のような母親同士の集団と謂うのは、一種一般社会との接点が薄い場合が多いので外から視るよりもっと強い同調圧が働くようですから、そちら方面で信奉者をオルグしていくと謂うのがありそうなパターンでしょうか。集団内部の同調圧で勢力を拡大していくと謂うのは、新宗教の常套手段です。

たしかにおっしゃるとおりで、蛸壺化、とは云ってもかならずしもその蛸壺が小さいとも、あるいはずっと小さいままでいるとも限らないわけで。

このあたり、身近なところで日常的に学童年齢のこどもに触れることが少ないぼく個人の、視野の狭窄がある、と云う話なんだと思う。と云うか、言い訳めいて聞こえるのを承知で云うとこの種の(ある種属人的な)視野の問題、と云うのはだれにもあることではあるんだろうな、とは思うのだけれど、なんと云うかおのれのこととして、改めてちょっと身にしみた。
とは云えせいぜいできるのはそれを自覚することと、その自覚にもとづいてあらためて情報に接し、また対話をおこなう、と云うことぐらいなのかもしれないけど、それでも意識していかなければなぁ、みたいに思った。

moon-3さんのエントリには、たとえばホメオパシーを受け入れる個人やコミュニティについて、生々しく言及したものがいくつかある。

「αさんはマクロビオティックを指導する立場で、ホメオパシーシュタイナー教育のプロパガンダもしていました」
この影響は子供たちにも現れ、いままで通りの園のやり方に従えないという子が出てきました。
親と先生と園長先生を交えての意見交換の機会でも、H・S・Mを取り入れた園になるよう主張するαさんたち一群の母親の存在によって、荒れに荒れるようになりました。
「園には園の方針がある。これが気にくわないのなら辞めたほうがいい」
という当たり前すぎる意見が、まったく通らない状態なのだそうです。
子供たちの健康管理の一貫として、予防接種をどうするかという話題さえ、誰も口にできない状態になってしまっています。これは一事が万事であって、けして多数派ではないH・S・Mの人たちに園が乗っ取られたような様子とのこと。

こう云うなんと云うか「ロハス的正義」を背中に背負ったひとたちの行状については、ぼくも自分でなんども書いているはず、なんだけどなぁ。おのれの視界の狭さと想像力の貧弱さについて、省みる材料をもらった感じでした。