Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

The Brooklyn Bridge for sale

なんだかハンガリーのIT企業が、運営しているサイトで江本勝氏の講演を10/22にネット配信するようで、その告知ページを見かけた。この(ニューエイジャー向けらしい)サイトは8か国語展開しているみたいなんだけど、日本語のページがあるのは江本勝氏周辺だけみたい。

江本氏の理論が知られるようになるにつれ、波動への理解が日本中に瞬く間に広がった。この単語は後に日常言語の一部となった。「この場所の波動は非常に低いから、もう出よう」「あの人はとても強い波動を持っている」「この環境の波動を変えよう」このような会話は日本では一般的であり、これは高い拡大率で撮った画期的な水の結晶の写真に因ることが多い。

ちょっと待てこら。どうせ外国人にはわからないと思ってめちゃくちゃ書くな。

8か国語のうち、ぼくにすこしでもまともに読める可能性があるのは英語だけ。なので、ほんとうにそんなことが書かれているのか英語の方のページも見てみる。

A rapid understanding of Hado quickly spread throughout Japan as Dr. Emoto's theory gained ground. The word subsequently became part of daily language. "The Hado of this place is really low. Let's leave." "That person has a really powerful Hado." "Let's change the Hado of this environment." Conversational pieces such as this now abound in Japan and it is largely due to his revolutionary photographs of water crystals under high magnification.

そのまんまだよ。あーあ。なんか、世界中のニューエイジャーが「日本では"HADO"(発音はやっぱ「ヘイドゥー」)がpart of daily languageだ、なんて思ってたらやだなぁ。嫌だ、ってだけでとくに困らないような気もしなくはないけど。

それで、一番気になる一節。

実際、水害や干ばつのような異常気象、津波地震のような自然災害は地球上での水の汚染が原因であり、それが結局は、我々のマインド、思考、感情のゆがみ、不調和により引き起こされていると言えます。

なにが言えますだ下衆野郎、とか思わず云ってしまいそうになるようないつもながらの言説ではあるのだけど(まぁそのあたりのことはハイチ大地震のときにこっちで書いた)、このへんはどうなってるんだろう。

As a matter of fact, we believe that the abnormal weather conditions such as floods and droughts and natural disasters like tsunamis and earthquakes are caused by the pollution of water on Earth, which in turn is ultimately brought by the distortion and disharmony in our mind, thoughts and emotions.

なんか日本語のほうにはないwe believeが付け加わってる、ので、まだましか。こんな唾棄すべき主張が日本において一般的に支持を得ているわけじゃなくて、一介の学位詐称者が自分の信ずるところを語っているだけだ、と云うような意味合いがすこしだけ加わるから(って、ほんとうにそんなふうに読んでもらえるのかどうか知らないけど)。それにしても英語圏のニューエイジャーも、こんな言説を受け入れたりするんだろうか。

なんとなく気になったので、amazon.comの"The Hidden Messages in Water"のページを見てみる。高評価レビュー3つはそれぞれ☆4つ、2つ、ひとつ。なんかこう云うことで安心するのもへんだけど、ニューエイジャーは英語圏でもみんなだめ、と云うわけでもないのだなぁ、とか感じる(いちばん上に掲載されているDavid Priceさんのレビューはじつにすぐれたものだ、とか思う)。それでも星ひとつレビューの比率はamazon.co.jpのほうが高くて、まぁこれはこれでちょいとした「ニセ科学批判の成果」なのかもなぁ、みたいに思わなくもない。