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Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

流通経路

CanCamと云えば小学館のファッション雑誌で、20年くらい前には「自分には縁のない層の女性を対象にした雑誌」と云う認識を持っていたのだけれど、いまはどんな傾向の雑誌なのかは知らない。

で、その編集部の公式ブログの、お肌がピカピカになる体験ツアー☆と云うエントリを見かけた。

ニセ科学にまつわる言説を眺めていると、特定の種類のものについては発信者に性別の偏りが見られることに気づく(統計的な数字は出せないけど)。代替医療、と云うか、自然をうたったニセ科学に関しては、どうにも女性にその信奉者が多く見られるように思える。典型的にはホメオパシーとか。
で、これって、傾向として女性向けメディアに、そう云う内容を含んだものが多いからじゃないんだろうか、みたいにまぁ、憶測をしてはいたのだけど。

で、これはエバメールと云う化粧品メーカーの工場に見学に行って、ついでにエステ体験をしてきた、と云うような内容の記事。

お水の結晶って心がキレイでないと歪んでしまうんですって


キレイな結晶のままのお水を使って作られるエバメールのクリームは、心のキレイなスタッフによって作られているんです

いや、キレイな結晶のままのお水を使って作られるクリームなんか使ったら凍傷になりますって。水の結晶ってのは氷なんだから。
ってえか心のキレイなスタッフって、どう云う基準なのよ。スタッフのこころがけで化粧品の効きは違ってくるのか(違ってくるのかもしれないけどさ)。

結局のところこちとら男なので、化粧品の効果とかはよく分からない。あの値段がどう決まっているのかもわからない。女性がそこに価値を見出すのはすこしも愚かしいことだと思わないけれど、でもそれらにつけられた付加価値のうち、相当の部分は根拠のあやしいものなんじゃないかな、みたいには思っている。でまぁ、それはそれで、そんなに悪いことでもないんだろうなぁ、なんて感じたりもする。

ただこのエバメールって化粧品、「生体エネルギー水」とやらをベースにしてるのが売り、みたいで。船井幸雄氏の本物研究所が販売店に卸したりしてるみたいなので、先に引用したような部分についても、たぶんこの編集者は工場見学の際にこの化粧品メーカーの人間に云われたことをなにも考えずにそのまま書いてるんだろうなぁ。商法としてはまぁ一貫性があると云ってもいいのかも。
江本勝氏の「水からの伝言」を支持する言説のかなりの部分が、「美しくなれるからいいことばを使おう!」的現世利益を求めるものである現状と、まぁ平仄も合うし。

まぁだからと云って化粧品としての品質がどうなのかはもちろんわからないし、ひょっとすると化粧品にもプラシーボ効果はあるのかもしれないので(効果がなければ使い続けられることもないだろうし)、医薬品にからむニセ科学に較べればまだ安全なのかなぁ、と思わなくはないけれど。
アンチエイジングとかデトックスとか、美容に関連する業界には明解に虚偽と云える商法をしている業者がいたりもするのだけど、化粧品業界も(とりわけその効果の評価がほぼすべて個人的な実感に基づかざるを得ないだけに)グレイゾーンに位置する業者がけっこういるんだろうなぁ、とか思うのだった。