Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

相場

少し前のエントリで、kikulogのコメント欄にいらっしゃったフランス在住の方による、フランスにおけるホメオパシー運用の現状についてのコメントについて書いた(そこで書いた個人的な見解については、ニセ科学問題にコミットしているかたがた一般に受け入れられるものではないかもしれない、と思っている)。

ところで、ホメオパシーが健康保険の適用対象になっているらしいフランスではそもそもレメディの価格ってどれくらいなんだろう、とか思っていた。個人的にはサクマドロップス(缶入りで85g税抜き150円)より高かったら納得いかないよなぁ、とか思っていたところで、ニースに在住らしいTOMOさんのワクチンと云うエントリを読んだ。

この方のご家庭は新型インフルエンザのワクチンを接種せずに予防用レメディで対処する、と云う判断をされたようで、まぁその選択は選択として(まだ小さいお子さんがいらっしゃるようなので心配でないこともないけど)。

それがこれです。初めて見る黄色い容器。中にはさらに小さなチューブが入っています。白い粒々なのは同じ。やっぱり Influenzinum なんですね。季節性インフルエンザも、新型(H1N1)も、同じA型ですもんね。

これを三週間の間、一週間に一回摂取し、四回目からは一ヶ月に一度摂取するとのこと。合計6本入っていて、1人分12ユーロでした。イコール1本2ユーロ。健康保険の払い戻しはないけど、思っていたより安かった。

・・・と思っていたら、全くの誤解でした。先ほど友達から電話がかかってきて、36ユーロと言うのは3人分ではなく、1人分の値段とのこと。小さなチューブ1本(1回分)6ユーロ(1ユーロ130円計算で780円)。普通のホメオパシーの3倍です。3人で108ユーロですよぉ〜。1ユーロ130円計算で11400円!(涙)

高い、と思ったけど、考えてみると日本で予防接種を受けるのとあんまり変わらないかも(もちろんレメディには薬効がないわけだし、そもそもなんについての価格なのか不明なので、そう云う比較をするのは間違ってるけど)。ちょっとみたところフランスでもインフルエンザの予防接種は自費みたいなので、お医者さんとしても「接種しない」と決めたひとには接種できないだろうし、でも「接種しないけどレメディ出して」みたいなひとには処方箋書くのかな。もしそのひとがインフルエンザに感染して重篤な状態になったら、医師の責任はどんなふうに(どんな基準で)問われるのだろう。

TOMOさんの記述から逆算するとレメディの相場は1回摂取分で2ユーロ、約260円、と云うことになる。任意保険(ミュチュエル、ってやつ)未加入の前提では負担額はだいたい100円しないくらい、ってところか。単価レベルでは日本と数倍の乖離がある、と云うことではなさそう。とは云え少なくとも日本国内ではホメオパシー利用者の間での用法・用量についてのコンセンサスは実質なさそうなので、これも一概に云えないけれど。

ところでインフルエンザのレメディってどうやってつくるんだろう、なにを希釈するんだろう、と思っていたら、homeopathique-harmonyさんとおっしゃるホメオパスの方のブログにあるインフルエンザのレメディー:Influenzinum ~その2と云うエントリで、TOMOさんの購入されたInfluenzinumと云うレメディについての説明があった。

そういうときには、インフルエンザを予防することのできる、すばらしいレメディーがあります。それがInfluenzinum(インフルエンザイナム)というレメディー。インフルエンザの患者さんの痰から作られたレメディーです。


    …あんまり飲みたくないかも(-_-;)…


でも大丈夫! ご安心ください。レメディーは、原材料物質を天文学的希釈度で薄めて作られていますから。原材料物質の成分は、分子ひとつさえも入っていません^^(あ、もちろん希釈度にもよりますが…)。

(フォント指定タグを除去しています)

、ですか。はぁ。
そのまんまと云うかわかりやすいと云うか原理原則に忠実と云うか、まぁ類感呪術としては王道なのか、なんか素直すぎてありがたみが薄いような。

と云うかこの書かれようだと、ポーテンシーによっては痰の成分が残ってるのかも、と云う話に読める。ほんとにそれ大丈夫か。このへんについてはkumicitさんのホメオパシーレメディは「効果もないが副作用もない」という保証はない。と云うエントリがあるけど、なんかそれ以前の問題のような。