Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

ねこ怖い

タイトルは半分だけ本当。
doramaoさんのところにねことニセ科学と云うエントリがあがっていて、ちょっと考えた。

エントリの主旨になにか異論があるとか云うわけではなくて。

ニセ科学批判の人に猫好きって多い気がする。

ニセ科学批判の人って云うのがどんな範疇なのかと云う議論は措くとして、ニセ科学に言及する頻度の高いひとには確かに猫好き比率は高い気がする。なんかちょっと前に犬派対猫派みたいな議論もあったような(山羊派とか登場していたような)。

ところでぼくは猫がよくわからない。好きとか嫌いとかじゃなくて、わからない。
こどものころに母親の実家にいた猫を別にすると(あまりに昔なのでよく覚えていない)あまり猫と親密になる機会がなかった、と云うのもある。野良は近づくと逃げちゃうし。

東京でひとり暮らしをしていた20代のころに、当時の姉貴分のひとりが代官山の裏のほうで小さな呑み屋をやっていた。このひと(と同居していた叔母さま)が料理上手で、行くとあれこれおいしいものを食べさせてくれるので、家庭の味から隔絶された独身男としては月に何度かは仕事帰りに電車に乗ってでかけたり。
で、夜中まであれこれ喰って呑んでいると電車がなくなるので、閉店後に店のすみっこのソファなんかで寝させてもらう。なんとなく夢うつつで眠ったり目覚めたりを繰り返していて、気付くと毛布のなかになにかいたりするわけだ。

そいつは店のロシアン・ブルーで、けっこう年ふりて風格たっぷりの雌猫。うとうとすると、こいつがぼくの借りている毛布にもぐりこんでくる。目を覚ますとさっと抜け出して店の対角線上の窓枠あたりに飛んで逃げる。眠れそうになるとまたくっついてくる。もう一晩、朝までなんどもその繰り返し。
こいつはおれといっしょにいたいんだろうか。それともおれが嫌いなのか。わけわからん。

この猫はいつも店にいる、と云うわけじゃなかったんだけど、いるときは店の開店時間中でも同じような感じ。カウンターに向かって呑んでいると、ストゥールから垂らしたぼくの足にまとわりついてくる。よくわからないなりになでてやろうとかすると音速で飛びのいて店の反対側にダッシュ。しばらくするとまた身体をすりよせてくる。にもかかわらずどんな工夫をしてもこちらの親密さの表現をぜったいに受け取らない。
わからない。まったくわからない。猫一般がこうなのか、こいつだけなのか。

それだけなら、一匹の雌猫とぼくの関係、と云う話で終わるのだけれど。
この店は女店主の店で、当時のぼくの交友関係のなかでも、麗しき女傑キャラとも云うべき面々が集う場所でもあって。で、中学生から姉御世代までのその場に居合わせた女性方(実の妹含む)が、よってたかって苦闘するぼくをからかうわけだ。

「あんた女にそんな扱いをするの。そんなんじゃだめだよ」

「そんなふうに扱うからもてないんだよ。しょうがないねきみは」

知らねえよ。大きなお世話だ。だいたいこいつ女じゃなくて猫だろ。あれ? でも雌か。
そうやってからかってなにが面白いのかよくわからない。よくわからないけどなんか悔しい。こちらが悔しい以上、そりゃからかうほうは面白いに決まってる。理不尽さに深く傷つく(ってほどでもまぁないけど)。

そう云うわけでいまでも猫はよくわからなくて怖い。女性もそうかも。いい歳のおっさんが云うことじゃないような気もするけど。

# べつだん、だからここの名前が猫のえさだ、と云うわけではない。

【追記 23:27】hietaroさんの真似をしてみる。