Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

伝説

GIGAZINEロータリーエンジン搭載のバイク「Norton NRV588」のすさまじいムービーと云う記事を読んだ。

ノートンと云うメーカーは英国バイクでは不動の名門のひとつだけれど、バイクが市販されているのを(免許を取れる年齢になってからは)見たことがないので、とうの昔に実体がなくなっているものだと思っていた。と云うか実情はたぶんそれに近いんだろう。欧州の名門バイクメーカー・自動車メーカーはブランドだけが流通していて、それを購入したどこかの企業家が一部の富裕な好事家のために超高級マシンを製作して販売する、と云う商売が成立している(典型的にはイタリアのMVアグスタ。一生買えねぇ)。英国製バイクにしてもふつうのバイクメーカーとして成立しているのはトライアンフだけ(トラにしても昔のブランドを買って、現代的な性能のバイクにかぶせてる、と云うのが正しい状況)。

それでもそう云うブランド名にこころときめくのもなんと云うか因果のようなもので。ノートンのロータリー・バイクと云えば30年以上前に村上もとかの「熱風の虎」で読んでちょっとだけあこがれたり(実際の性能なんてものはもちろんわからない)。で、そのノートン・ロータリーレーサーが走るのがこれまた、まだやってたのかマン島TTだって云うからたまらない(ここで森雅裕マン島物語なんかを連想するのは、まぁ日本中でぼくを含めて2桁いるかどうか)。

古くさい。アナクロ。クラシック。でも、伝説を背負っての愚行、と考えるとちょっと感じるものがある。なんと云う、ぼくのなかの不合理。 ところでスペックを見ると588cc twin-rotorって書いてあるけど、これってレギュレーション上どう扱われるんだろう。ってえかそもそもロータリーマシンについてのレギュレーションなんかないよなぁ。