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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

知ること、のロマン (「謎解き 超常現象」ASIOS)

素直に、面白かった。

謎解き 超常現象

謎解き 超常現象

  • 作者: ASIOS
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2009/04/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

いやこの「面白かった」と云う感想が、編者のASIOSのみなさんにとって心外なものでなければいいのだけど。

UMAとか、UFOとか、古代超文明とか。こう、調べたわけではないので印象だけで書くけど、例えばいまニセ科学を批判するような立ち位置にいる方々にも、どちらかと云うとそう云うものが好きだった方も多いのではないだろうか。
少なくとも、ぼくはそうだった。

で、それでも、そう云うものについて書かれたいろいろな本に、こどものころのぼくは不満だった。
なぜって、だいたいがそれこそ「こども騙し」だったから。

不思議なことを「でも事実だ」と書いている。ほんとうはありそうにないことを事実だ、と書いている以上、「こんな根拠があってこう考えるのが妥当だから事実だ」と云う部分をきっちりと示してくれないと、「ひょっとしたらそう云うこともあるかも」みたいに感じるわくわく感は持続しない。最終的にその辺りをうやむやにして、「信じるか信じないかはあなた次第」みたいに放り出されてしまうとしらけてしまうのだ。

そうして、こどものころのぼくは、そう云う失望感をなんども味わった。
ちょっと(ぼくぐらいに)こまっしゃくれた小学生なら、そんなふうに感じると思う。小学生でも、その辺りは見抜く。馬鹿にされたように感じたりする。結局、わくわくはかんたんに消え失せてしまう。
「ほんとうにあったことはどんなことなんだろう」と云うことに、やっぱり答えてほしいのだ。

この本の中では、いろいろな超常現象に対して懐疑主義的な視点で「謎解き」が試みられる。逆説的だけど、そのスタンスこそが小学生のぼくが欲しかった、「わくわく感」みたいなものを持続させるために欲しかったものだ。ロマンは、「こう云う不思議なことがある」と云うことを信じると云うことにあるのではなくて、「その不思議なことは、いったいどうやって起きているのか」を考える過程にあるのだ。知ろうとすること、の過程に。

おかしな云い方かもしれないけど、できればこの本は、超常現象に興味を持つひとたちにこそ読んでほしいと思う。
それは啓蒙、とかそう云う意味ではなくて。ほんとうにロマンティックなことは「信じる」ことにあるのではなくて、知恵をふりしぼって「知ろうとすること」にある、と云う感覚を、共有してもらえるようになるかもしれない、と思うから。