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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

動機

jura03さんの謝罪します。ニセ科学批判はネット右翼と同じでしたと云うエントリを読んだ。まぁ内容としてははてなブックマークとか、そのあたりを念頭に置いて書かれたもののようなので、ぼくなんかにはあんまり関係のない内容なんだろうと思うんだけど、いくぶんかの期間ニセ科学に対する批判にコミットしている個人として、ちょっと。

まずWikipediaの「疑似科学」の項目を引いて、こんなふうにおっしゃる。

もっと自然科学者らしいものかと思ったら、なんだ、もろにネット右翼と同じじゃないか。

Wikipediaのその部分は、なんと云うか「嫌『ニセ科学批判』」のひとの編集が入っていて印象の誘導を目的に記述された部分があるので、そこで納得されてもどうか、と思う。そりゃまぁそう云う経緯でjura03さんのような立ち位置の方の感性にフィットする記述にはなっているだろうから、ご自分のご意見を正当化してくれるものとして受け入れやすいんだろうなぁ、とは理解するけれど。

で、ぼくはネット右翼と云うものがどんなものなのかよく知らないのだけれど、この言葉がネガティブなニュアンスを含ませて使われている、と云うことはjura03さんの前のエントリ、ニセ科学批判とネット右翼の共通性と云うのを読むとなんとなくわかる。まぁ、こちらのエントリもはてブのコメントについて書かれたとおぼしき内容なので、「はてなで活躍するネット右翼と云うもの」に限定した内容なのかも、とかも思うけれど。確かにはてブの100字コメントは(その実際の内容はともかく)罵声に見えるものも多いしなぁ。

ついでに云うとなんでもっと自然科学者らしいものかと思ったのか、どう云うのが自然科学者らしいと理解されているのか、と云うのにも多少興味がある。ぼくが知っている限りたいていの自然科学者はふつうに社会で暮らしている人間なので、その社会に対する理解も行動の動機もかならずしも一面的に自然科学に発端するものではない。たいていのひとはそんなに安直なステレオタイプにはおさまらない。あたりまえだと思うけど。

しかも、自然科学だけに妥協の余地がなくて、騙される人を救えるかもしれないと正義感までセットでついてくるたちの悪さ。

下で引用されているまとめwikiにも、かならずしもコミットしている個々人の動機が正義感ではない、と云うことはちゃんと書かれていると思うんだけど。

こう云うことを云われるので、ニセ科学に対する批判にコミットし続けるには都度自分の立ち位置や動機を確かめたり、表明したり、と云うのが必要になってくる部分がある。でもまぁいくらちゃんと書いても、書いてあることを読まずに正義感とか決めてかかるひとはいるので、どこかで諦めるしかない。
それはそれとして、ぼくはjura03さんのような方がこう云う文章をお書きになる動機にすこしだけ興味がある。たぶん正義感とは違うものなんだろうな、と云うことくらいまでは想像がつくけど。

間違いを指摘することの何が悪いって極め付けで笑える。

間違いを指摘することの何が悪いのか、なにが笑えるのかを具体的に書いてくれると、ぼくみたいにあたまのできが残念な人間にもおっしゃりたいことがわかるかもしれないんだけどな。

ニセ科学批判諸君の活動はネット右翼の類とは別物だと思い込んでいたが、全く同じだったとは知らなかった。申し訳ない。ここに謝罪する。

謝罪するのは勝手なのでかまわないのだけれど(求められてもいない謝罪をするのはなにかしらご本人にとって気持ちのいい行為なんだろうし、そう云う動機で行われる行為に口出しするのはそれこそおせっかいなので)、なんか漠然と「よくない行為をおこなうもの」の代表、みたいな粗雑な語義把握のもとで引き合いに出されている「ネット右翼」とやらに擬せられるのは正直気持ち悪いなぁ。