Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

インサイダーの視点

なんかひさしぶりにI Wayan Balawanのことを書いたエントリにアクセスがあって、そういやご本人最近なにかYou Tubeに上げてくれたかな、とかちょっと思って探してみたらいくつかあった。

Balawan & Batuan Ethnic Fusion - The Dance of Janger

バリに行ったことがあるひとならやたら見かけたと思う、白黒チェックの布が下がっているのがバリガムランの楽器。クンダン(太鼓)ふたつ、チェンチェン(据え置きシンバル)ひとつ、ガンサ(なのかな)をふたりでひとつ。Balawanの横でヴァイオリンを弾いてるのはDidietくんと云うらしい(名前の発音が分からない)。 彼のバンド名は以前からBatuan Ethnic Fusionなんだけど、地元のひとたちなんだろうなぁ(バトゥアンはお寺で有名だけど、当然村のゴンはあるだろうし)。 面白い、と云う点ではこちらのほうが面白いかも。

Balawan & Batuan Ethnic Fusion - Magic Reong

向かって左端に、なんと云うのかハーフサイズのレヨンがあって、通常の半数のふたり(レヨンは1台を4人で演奏する)でプレイ。なんか不思議な効果。で、途中からBalawan必殺のギター2本同時弾きが炸裂。

——なんと云うか、こうやって文章で説明するとあざとさ満点みたいに聴こえるけど、演奏を実際に聴くとわざとらしさがかけらも感じられないのは、たぶん生まれた時から周りにあった音楽風土と、留学までして学んだギターと云う楽器での表現、と云うのが感受性の上で完全に地続きで、やりたいことそのまんま、だからなんだろうなぁ。インサイダーであることを考えても、こんなふうに自分のエスニシティを自然に表現に取り入れることができるってのは、それでもやっぱり音楽家として卓越している、と云うことのようには思えるけれども。