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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

活性化といっても

2月に東北大学加齢研(と云うか川島隆太チーム)が心身状態に連動する車をトヨタと共同研究、と云うニュースがあってこんなエントリを書いたりしたのだけど、バイクに関してもなんかやってるらしい、と云うのをローカルニュースで見た。 調べてみたら、ITmediaオートバイ運転は“脳トレ”になるか 川島教授とヤマハ発が共同研究と云う記事を見つけた。5月か。ぼくが知らなかっただけで、旧聞ですな。

オートバイを運転すると脳が活性化されるか──

脳が活性化された状態、と云うのがいまひとつ掴めていないので微妙だけど、けっこう馬鹿になる可能性が高い気がする。いやこれは主にぼく自身、あとぼくのごく身近にいる一部の連中だけから判断した、個人的な経験だけに基づくまったく科学的ではない推測なんだけど(この範囲に限って云えばもとから馬鹿だった可能性もいっさい否めないし)。

二輪車運転では両手・両足が異なる動作を行う上、バランス感覚が必要。四輪車より体力や運動神経、反射神経が必要で、気候や温度変化などにも敏感になる。「オートバイユーザーは、実年齢より若く見られる人が多いとも言われている」という。

前半は事実だけど後半はどうかな。馬鹿は歳喰わない、って云う言説もあるし(これも科学的ではないけど)。ちなみにぼくはここ数年実年齢より若く見られることが妙に増えたけど(ほんとうに若い頃は逆だった。あんまり変わってないと云う評価もあり)、これは単に前記の言説の逆の応用例になっているだけのようにも思える。

具体的には、携帯型の光トポグラフィー機器を使い、運転時の脳機能の変化を読み取る。また、乗っている人と乗らない人との運動神経、反射神経、空間認知力などを数値化していく。乗っていなかった人が乗るようになった場合の数値変化などを通じ、二輪車の乗車と脳の活性化の関連について調べる。

ヤマハが期待される研究成果は「バイクに乗ると脳が活性化するし、若々しく見られますよ」と云う宣伝を裏付けるデータが出ること、なんだろうな。まぁそれはそれで産学連携のあり方としてはおかしくはない。でも同時に「馬鹿になる、あるいは馬鹿に見られる」可能性も調査すべきではないか。いやまったく科学的な裏付けのある懸念ではないですが。

でも、なによりもまず、オートバイと云うのは危険な乗り物です。
いや、エンジンがついていて道路を走る乗り物はみんな危険で、その意味では同じなのですが。でもオートバイは四輪車のように「事故のときに相手に対する危害はさておきまずは搭乗者を守る」と云う方向での進化はいっさいしていません。路上の危険に、生身で接することになります。四輪車と勝負したらたいてい一方的に負けますし、相手がなくてもけがをすることだってあります。「脳の活性化」とひきかえに安易にお薦めできるものではありません。
まぁ、自分を守ること=他者を守ること、と云う構図に身を置くことになるので、それはよいことだとは思いますが(逆にそう云う状況にないふつうの四輪車が、自覚のないままけっこう他者に対して危険な運転をしていることを痛感したりします)。

あとここでは触れませんが、四輪車にないすばらしい側面も多々あります。脳の活性化、なんて目的で接するにはもったいないような。