Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

起きたままお昼寝

昨日のことだけれど、随分とひさしぶりにコンサートホールで音楽を聴いた(考えてみると、日頃は野音とか道端、屋根があってもライヴハウスばっかりだ。なんでだ)。演目はレクイエム2曲。

自分でもなんだろうなぁ、とか思うけれど、ライヴでもギグでもなくてコンサート、と云うのはほんとうにひさしぶりで。しかも合唱団。なんか個人的な嗜好からしてあんまり喜んで行くようなものじゃないような感じなんだけど、昨日はそうでもなくて。

わりと開演ぎりぎりに到着したら、ステージの真ん中でなんか箱みたいな楽器が音を出している。そうか、オルガンか。レクイエムだもんね。

で、1曲目はジョン・ラターって云うイギリス人のレクイエム。もちろんはじめて聴くんだけど、なんと云うか、フォスターの書いた宗教音楽、って感じで親しみやすい、でも真摯さがあって軽やかすぎない曲。小編成の楽器隊もそれぞれけっこう見せ場があっていい感じ。それ以前に(普段ほぼまったく興味のない分野だけど)大人数による合唱って云うのは、それはそれで柔らかい破壊力みたいなものがあって悪くないなぁ、みたいに感じる。 

休憩を挟んで、今度はフォーレのレクイエム。
クラシックにはほとんど造詣のないぼくではあるけれどフランスの近代作曲家はそれでもわりと好きだったりして、そのなかでもこの曲のCDはなぜか2枚も持っている。20代中盤から10年くらいの間はけっこう頻繁に聴いていた。主要な用途は昼寝のBGMだったけれど(これはぼくとしては絶賛に近い意味合いで書いてるんだけど、そう読んでもらえるのかなぁ)。

うちにある録音に較べると小編成(さっきのラターの時よりは多い)の楽器隊。うたはそれなりの迫力があるけれど、もともとひどくやさしい旋律の曲なので、それなりに真剣に聴きながらも夢心地。なんと云うか、目を開けたまま、意識が冴えたまままどろんでいるような、妙な感じ。
バリトンのおにいさんがあんなに気合いを入れないで、もっとなめらかにうたってくれたら、もっとよかったんだろうなぁ。とりあえず家に帰って、今日の2曲ともディアス・イラエだのラクリモサだののおっかない部分がなんで省略されているのか調べてみる(あるときから、典礼から外された、ってことみたい)。

それはそうとして、指揮者(テノール歌手で岩手大学の教授)のプロフィールに「イオンド大学名誉教授」ってしっかり書いてあるのはいかがなものかと。ほんとに誰にでも学位売ってんのね。