Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

唯幻論

とまぁ、前のエントリで触れたfuku33さんのエントリには、「唯幻価値論」と云う用語が使われている訳だけれど。きっとこれは岸田秀を踏まえた用語なんだろうな、と思う。この歳になったいまなら、岸田秀も読めるだろうか。

ものぐさ精神分析を読んだのは多分高校生の頃。読んだ理由と云うのも覚えていて、桃尻娘の玲奈ちゃんが読んでいたからだ、と思う。

でも読んで、ひどく不愉快になった。何が唯幻論だ、と思った。
そんなことは誰でも知っていて、でもみんな黙っていて、前提として理解したうえで頑張ってるはずなのに、とか思った。なんか、「王様は裸だ!」とか云っていい気になっているこどもを見ている気がした。そんな台詞誰でも云えるのに、みんな黙ってるんだよ、みたいに。

で、その後、この本を読んで「目から鱗が落ちた」みたいなことを感じているひとがたくさんいることを知ってひどく驚いた記憶がある。
当時高校生だった自分が、どうして最初からそんなふうに感じたのか、ちょっと興味深く思い出した。