鴨志田穣が死んだらしい。
あちこちで冥福が祈られている。
ぼくはあまり熱心な読者じゃない。「アジア・パー伝」も多分みんな(図書館で)読んだけれど、たいして覚えていない。
ぼくの印象の大半は、ゲッツ板谷の怪人紀行シリーズ、とりわけ「インド怪人紀行」の鴨ちゃんだ。
だらしなくて。
頼りになって。
とんでもなく短気で。
ストレートで。
素朴で。
繊細で。
そして、優しくて。
冥福なんぞ祈らない。お悔やみも言わない。安らかに、なんて絶対に云いたくない。
男だった。男だ、ってことに、いい意味も悪い意味もない。