Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

微妙な二律背反

文章はわかりやすく書こう、と思っている。誠実に書こう、とも思っている(と云うか、不誠実に書こうと思って書けるほどの筆力はない)。でも、シナトラ千代子さんの「わかりやすくまとめる」ブロガーがブログ界隈をテレビ番組化していくと云うエントリを読んで、少しひっかかってしまった。うむむ。

分かりやすく書く、と云うことは、抽出し、まとめ、筋道を立て、夾雑物をなくしながら文章を組み立てる、と云うことだ。だからそこでは情報の選定、と云うか剪定が行われる。ぼくが何かを伝えたい、と思った時には、その「伝えたいこと」のもとになった情報は当然ながらすべてそこにある訳ではない。もちろん、書き手としても。自分が何にドライヴされてその文章を書こうと思ったのか、についてすべて意識化しているわけではないのだけれど。

でもやっぱり、できるだけわかりやすく書こうとしないともちろん通じないんだよねぇ。と云う訳で、多分これからもぼくは「わかりやすさ指向への違和感」についての文章を、「できるだけわかりやすく」書くことに腐心して行くんだろうな。
それは矛盾かもしれない、と云うことは忘れないようにしよう。