Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

説得の技術

川端裕人さんが町田市に抗議文を送ったにも関わらず実施されてしまった「ゲーム脳講演」について、たこやきさんが潜入! ゲーム脳洗脳セミナー!!と云うエントリを上げておられるのを読んだ。

 まず、全体を通して言えることなのですが、非常にビジュアルを使った演出が上手い、ということ。最初から最後まで、常にスライドで、何らかの画像、視覚情報を与えています。それも、グラフであるとか、表であるとかだけではなくて、イメージ画像みたいなものを上手く挟んで「演出」している、というのを感じました。

なるほど、極意ですね。「なんかかっこいいことをしたいと思ってるけれど、自分が何をしたいのか真面目に考えていない」種類のクライアントには、(実際には特に何も云っていない)イメージで押すのは有効だったりします。

 また、専門用語を何の説明も無く突如使い出す、というのも結構有りましたね。これ、森氏の著書にもあるんですが、突如としてウェルニッケ野であるとか、感覚野であるとかという言葉を交えた説明になり、(私も含めて)多く人は言葉の意味事態が良くわからない、という状態に陥るわけです。

これも重要です。バズワードは「なんか分かんないけど凄い話を聞いてるんだ」と云う気分にさせるためには便利な道具です。普通は聴衆に分からないようにアルファベット3文字にするのが常道ですが、絶対に分からないだろうテクニカルタームも同様の効果が期待できます。

 他には、細かいところで、時事ネタを入れてくる、なんていうのも。

いいですねぇ。なんかそれまでの話にリアリティを付け加える(ように誤認させる)のに有効です。

と云う訳で、なんと云うか、商売としては非常に練られたものであることが分かった。
でも学者を名乗る人間がやることかどうか、ちょっと考える余地がありそう。