Chromeplated Rat

街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

「事実」と「真実」

なんだかどえらいエントリタイトルである。笑ってしまいそうだ。
と云う訳で、いろんな方の議論とサジェスチョンを踏まえた、中締め的なぼく個人のまとめ。

言葉の定義で議論を始めれば相当楽しめるようなお題ではあるけど、まぁそこは省いて。

とりあえず科学がカバーする範囲は、「事実」だけ。基本的には、これは「仕様」に類するもの。自然科学も、社会科学も追求するのは「仕様」。だいぶ角度は違うけど、人文科学も原理的にはそう。

「真実」に直接アプローチするのは宗教。一部の人文科学もアプローチ対象は重なるけれど、それはやっぱり科学としてのアプローチなので思惟の方向が違う。「真実」はあくまでひとにとってのもの。

科学も宗教も、人間の行いである、と云う点においては違いがない。違うのは視点と云うか、角度と云うか、姿勢。

で、「事実」と「真実」は別のものだ、と云えるほど隔絶したものじゃなくて、相当部分は重なるんだろうけど、でもやはり異なる。事実であることはひとにとって真実であることを意味しないだろうし、真実はつねに事実として顕れてくる訳ではない。

こうやって考えると、一点、分かりやすくなる。

「真実」のための科学はにせものだ。「事実」のための宗教もまた。