お水系紋切型サンプル
なんと云うか、非常に典型的な言説を見つけた。
tt555さんの"Day by day. it's good day"のエントリ、「水の件」。
(tt555さま、晒したり茶化したりするのがぼくの本意と云うわけではないので、リンクに差し障りがありましたらご連絡下さい。悪意はないのですが、以下、ご不快を感じさせるかもしれない内容が記載されています)
なお、引用に当たって、原文にあるリンクURLの記載を削除していることをお断りします。
先に自分の結論を言うと、水だって 秩序を求めている、ということだろう。
記事の趣旨と関係ないですね。これってコンフェッションなんでしょうか。信仰を前提として議論を進めるぞ、というような。
あまりよくなく思っているらしく 否定的に記載している。(中略)最初から否定の雰囲気がムンムンというのも どんなものかなー。
そうではなくて、でたらめなのを自明の理として(読者と共有できる前提として)以降の論旨を展開しているだけです。
これは 多分に 古典力学と量子力学の違いにも通じる。
すいません。この部分、不勉強で分かりません。量子力学でも、(人間が社会的秩序を希求するといった意味での)水の秩序希求意識が証明できるわけではないと思いますが。
記者の気持ちはよくわかるのだが 見えないものを受け入れるのを拒んでいるかたくなさばかりが 伝わってきて チョッと 残念である。
どの辺りから伝わってくるんでしょう。大嘘が教育の現場にまで入り込んでいることについての警戒心は伝わってきますけれど。
ちなみに稲葉振一郎さんは記者じゃなくて明治学院大学の教授ですが、これはまぁご存じなくても少しも変じゃないです。
水だって変わりたいのだ。
そうですか。でも、どうして変わりたいんですか? どんなふうに変わりたいんでしょう。
10月末のガンセミナーで 九州大学高尾教授(物理学) が面白い実験結果を示してくれた。
話題の「ししゃかも」ですね。このガンセミナー、なんかシュタイナーっぽいにおいがします。こんなところまで進出してるんでしょうか。さすが九州大学理学部。
ちなみに高尾氏は九州大学の教授ではなく助手なので、そうご本人が名乗っていらしたとすれば詐称でしょう。イオンド大学と云うお金を払えば学位をくれる非認定学位授与機関(学長は新興宗教の総帥)から、名誉博士号を(なぜか哲学で)貰ってるみたいですが。
アト 有名な「水は答えを知っている」の写真集でも すばらしい顕微鏡写真が満載だし 、また上記記事中の 「水からの伝言」なども よく見ると いい記事/写真がたくさんある。
* こういう事実を見せても 反対する方は 反対するのだろうナーー、と思う。
事実、ではないのを多くの科学者が指摘しています。写真が素晴しいから事実だ、と云う論理は成り立ちません。
tt555さんを揶揄したい訳ではないのでちょっと気が引けているけど、いくつか典型的な特徴が見られるので挙げてみる。
- 「相手がなにを主張したいのか」をまじめに読み取ろう、聞き取ろうとすることよりも、自分の考えとの相違部分が気になる
- その結果、相手の論旨をゆがめて受け取ってしまい、そのゆがめたものに対して反論する
- 自分の信じていることの否定に、相手はやっきになっている(それは目が曇ってるから)とデフォルトで捉える(いわば「必死だな(w」的に見る)
- アナロジーと科学的事実を混同する(往々にして、そこに「真実」を見つけたりもする。これは凄いことに、自然科学的にも社会科学的にも人文科学的にも同時に真実だったりする)
- でも「量子力学」のような科学的概念は援用する
- コンフェッションを行うことが自説の論理的強度を増すのに効果があると考える
など。
ニセ科学側の言説は過剰に「わかりやすい」傾向があるけど、この方ぐらいになると論理のショートカットが多すぎてかえってわかりづらくなってしまっている。文体は自信たっぷりだけど、ご本人も混乱してしまっているのかもしれない。
この方のようなひとたちに対して有効なのは、やっぱり文科系的アプローチだと思うです。自然科学側からではなく。