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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

ニセ科学と「神秘」

これまでぼくは幾つかのエントリで、「水からの伝言」やニセ科学と戦うべきなのは人文科学・社会科学に携わるものなのではないか(ぼくのようにフィールドがアカデミズムではなくビジネスにある者を含めて)と云うような事を書いてきた。ただ、まだ言及していない領域がある。
宗教・神秘思想・スピリチュアリズムについて、だ。

これについてはもう少ししたら書くかもしれない。でも、その辺りについて綺麗に整理したエントリを読んだ。

宗教、と云うとストレートにカルトを連想する心理がある(ぼくにも)。でも本来、宗教と云うのは生きるための規範として造られたものであり、古い宗教は何百年と云う時間を経て鍛えられてきたものだ。だから、本来非科学的なものを意味する使い方で「宗教」と云う言葉を使うのは誤用なのだ。

物理的な意味で神が存在しないとしても、神という概念が退けられるわけではない。科学と宗教は別の世界であり、対立するものではないのだ。


ここだけ引用すると芹沢さんのエントリの意図を曲解しているみたいに見えるかもしれないけれど、エントリの内容全体に同意。相容れないものが、ひとりの人間の中で矛盾しないものとして存在するのは、少しもおかしなことではないのだ。それは、次元が違うのだから。クリスチャンの自然科学者なんていくらでもいるはずだ。

問題なのは、それら機能が違うものを無理矢理に同一基準で判断しようとすること。ここにも重層的な思考を拒む、分かりやすさを求める王様たちが生む弊害があるのかなぁ、などと思ったりする。