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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

「癒し」?

ガムラン

なんか世の中には「バリのガムランを聞いて癒される」タイプの方々が数多くいらっしゃる。

YOGA/ヨガ・ヒーリングCD ~Degung Sabilulungan(ドゥグン サビルルンガン)

YOGA/ヨガ・ヒーリングCD ~Degung Sabilulungan(ドゥグン サビルルンガン)


そういう方々が云っているガムランは、多分このあたり。バリ雑貨屋に行くとかかっている(日本だけじゃなくて、実際にバリでもお店のBGMとしてかかっている)。でもこれ、バリのガムランじゃないのだ。

このブログを書くにあたって、カテゴリ名を「ガムラン」としたけれど、実際のところは若干看板に偽りあり、の部分がある。ぼくが興味を持っているのはバリガムランで、でもってガムランと云うのはバリだけのものじゃないのだ。もちろん。

バリガムラン、とりわけゴン・クビャールは、どちらかというと滾り渦巻く情念をとんでもなく強固な組織力でオーケストレーションしているような音楽で、ぼく個人の感覚としては到底聴いていて癒されるような代物ではない。と云うか、そう云う部分はもちろん期待していない。こう、とりたてて別段癒しが欲しい訳ではないし、そう云うものは音楽には求めないし。

もちろんバリガムランには、心がとろけさせられるようなあまやかな響きのものもある。でもそれは甘美なだけじゃない。少なくとも、聞き流せるようなものではない。

このアルバムは、ジャンル的にはドゥグンという。スンダのガムランだ。聴く限り、編成は太鼓(クンダン?)とゴン、レヨンかトロンポンのような鍋が並んでる系の金属旋律楽器と竹ガムラン、竹の縦笛(スリン?)の5声。小編成である、という点は別としても、バリガムランで基本的に見られる、同一声部を複数の楽器で担当する、という特徴はない。善し悪しはともかく、多いときは30人くらいの編成になる(ゴン・クビャールの場合。ゴン・グデだとその倍くらいか)バリガムランと比較すると相当シンプルではある。

バリガムランを聴くときのように、こちらの精神状態次第ではあてられてしまう、と云うようなパワーはない。でも逆に、お昼寝向きではあると思う。このアルバムには10曲入っていて、正直どの曲がどの曲なんだか区別もあんまりつかないんだけど、それはむしろ美点なんだと思う。

ぼくみたいな、BGMをわざわざ聴いているには人生の時間もおこづかいも少なすぎる、と云う種類の人間にはあんまり向かないけどね。