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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

仙台の本屋(6)ジュンク堂仙台ロフト店

その昔、仙台駅西口一帯には、地場資本の本屋がとても沢山あった。協同書店、ブックスオオトリ、アイエ書店、そしてもちろん八重洲書房。
残念と云うか、悔しいと云うか、これらはいまはどれもない。

その代わり、地場資本ではない本屋が、いまはこの地域に並んでいる。特にジュンク堂は、前に取り上げた仙台店と仙台ロフト店が、殆ど寄り添うように開店している。どちらも空中店舗なので並んでいるという印象はないけれど、直線距離にして50mは離れていないのではないか(地上20mくらいの場所に引かれた直線ではあるけど)。
まぁジュンク堂の出店戦略は措いておくとして、この2店舗、実は結構違う。

図書館、という言葉からイメージするもの。
あらゆる情報がそこに集積されていて、一定の秩序で整理されている。その秩序を理解し、使いこなすことで、必要な情報を自在に手に入れることが出来る。もちろん、目的を持たずに集積された情報の中をたゆたってもかまわない。バビロンにあるそれの、ちいさなコピー。
ジュンク堂のコンセプトは「買える図書館」だと聞いたことがある。だとすれば、最初にそこに要求されるのは、圧倒的な量、のはず。

その意味ではこの店舗はE-BEANS店よりも小規模で、そこにおいては劣ると云えるかもしれない。でも面白いもので、書店としての主張はこちらのほうにより強く感じる。品数が少ない分、傾向が見えやすい、と云うことかもしれない。

例えば、仙台に縁のある作家が3人、ここに棚を持っている。「伊坂幸太郎書店」、「熊谷達也書店」、「三浦明博書店」。こういう試みは素敵だ。
どうして瀬名秀明書店が設定されてないのか、ちょっと不満だけど。ぜひ設定して、プロゴルファー猿を置いて欲しい。

そう云う訳で使い勝手は多少劣るけれど、ぼくはけっこうここが好きだ。同じLOFTに入っているHMVの品揃えがもう少し充実していれば、もっと頻繁に足を運ぶことになるのかもしれないけれど。