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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

仙台の本屋(5)ジュンク堂書店仙台店

そう云う訳で、多少手に入り辛いかもしれないを買いに、e-beansのジュンク堂に出掛けた。なんと云うか、「ここならあるかも」と云う期待を抱かせるところがある(しかし、双葉文庫なんて中島らも以外で初めて買ったかもしれない)。

ぼくはもともと神戸っこなので、実はジュンク堂と云う本屋は昔から知っていた。でも今のジュンク堂と、ぼくの記憶にある四半世紀以上前の三宮の本屋とはあまり重ならない。こんなにでっかい本屋だっけか。

とりあえず、e-beansの2フロアを占拠しているので、仙台の書店としては大きい(よく分からないが延べ面積では最大だろう)。ぼくが馴染んだ中では4フロアに展開している福岡店には及ばないが、それでもでかい(余談だが福岡には個性のある本屋が仙台よりだいぶ多い。きっと文盲率が仙台より低いんだろう)。その昔この建物には共同書店が入っていたと思うが、それでも1フロアだけだったと思う。

本屋のサイズは内容の充実を意味しない。郊外型のTSUTAYAは、不思議なくらい何も見つからない(字の書いてある本をあまり売っていない)。でも、ここはちゃんと欲しい本が探せる。いや、手放しで褒められるほどの充実具合ではないのだけど、何かが欲しいときに、探してみる意義はある。

そう、探しやすいのだ。
本屋には固有の文脈がある。こんな本が探したい、と云うときに、その本がどこに配置されているか、と云うような。その文脈が理にかなっていて、分かりやすいのだ。「この本」を探すときも、「こんな本」を探すときも、それがどの辺りにあるのかを類推しやすい。

「この本」を探すだけなら、正直今のご時世Amazonでほぼ事が足りる。書店の醍醐味は、「こんな本」を探す事にあるんだと思う。例えば、「ある特定の出版社が出すような本」が読みたい時なんかは、その出版社や文脈の共通する出版社の書籍がまとまって置いてあるような「分かっている」書店が探しやすい。こういういわば一覧性のようなものは、とりあえずまだAmazonのリコメンドではカバーされない。

ジュンク堂の定評は「専門書に強い」ということのようだ。でも、ぼくのような(うっかりすると本来は専門書に分類されそうな本にまで興味の範疇が届く)人間にも楽しい本屋だ。

もう1フロアあれば、もっといろんな本を探せるだろうに。