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街や音楽やその他のものについてのあれこれ。

自分の所属するもの

美しい国へ

美しい国へ

  • 作者: 安倍 晋三
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 新書


先に云うと、この本は通読していない。
買おうと思って本屋に行ったのだけど、目次を見ながら拾い読みしているうちに買う気がなくなって止めた。
時間もお小遣いも有限なのだ。

教育と云うものにもともと違和感を感じている。
まぁぼくが日常に困らないくらいに算数が出来るのは義務教育のおかげだ。だけど、それ以外に(高校までの)学校教育で得たものはたいしてない気がする。

とりあえず学校にいる間に、教育と云うものは粗暴さと卑劣さを根絶するには何の役にも立たないものだ、ということは分かった。自分の考える「美しい国」を実現するために教育を改革する、なんていう考え方は、卑劣さそのものだ。

ぼくはこの街で暮らし、そう云う意味でこの街に所属している。この街の美しさはまぁ、自慢でないこともない。
ぼくはモーターサイクルクラブに所属している。クラブは文化を共有する部族だ。だからその文化に誇りを持ったり、帰属意識を持ったりする。
でも、これはどちらもぼくが選んだものだ。

自分で選んだものに所属し、所属することを誇るのは分かる。
でも、たまたま生まれただけの国に帰属意識を持つかどうかは分からない。
持つかもしれないけれど、その場合は、それは自分で選んだものだ。
教育なんて云うもので刷り込まれたくはない。

なんでこの本を買わなかったかと云うと、拾い読みをしただけでその気味悪さを感じたからだ。そんなものに時間を費やすほど人生は長くない。
ましてやこの男は自国民の人生をどちらかというと短く端折りたい方らしいので。